テーマ102 どんな部下でも成長させるのが管理職者の仕事
■部下の不調の兆候を事前に発見したら、様子見の期間を決め、
変わらなければすぐ声を掛けるなどの対策を取る
部下の方が、何らかの原因により、不調に陥ったときに現れる兆候は、
一般的には下記のようなことが上げられます。
1.口数が少なくなる。
周りの人間との日頃の会話が少なくなる。
打合せの場などでの発言が少なくなる。
2.意欲の低下。
仕事に対する熱意が感じなくなる。
協調性が悪くなる。仕事に対する不満が多くなる。
3.自分の意志、意見をはっきり言わなくなる。
意見や意思を話すときに、賛成なのか、反対なのか、
何をしたいのか、はっきりしたことを言わなくなる。
4.挨拶をしなくなる。遅刻、欠勤をするようになる。
今まで行っていた出社や退社時の挨拶をしなくなる。
今までしなかった遅刻、欠勤をするようになる。
5.同僚やお客様からクレームがくる。
同じ部署や他部署の人間からの問題指摘や
お客様からのクレームが増える。
6.いつもと何か違うと不自然さを感じる。
出社から退社するまでの言動や仕事ぶりが
いつもの何か違うと感じる。
部下の方に上記のような状況が現れた時は、
ただ単に様子をみるのではなく、様子をみる期間を決めて、
その期間内に元に戻らないようであれば、
すぐ声を掛け何か心配事でもあるのかなど、
状況を把握し、対策を講じることが必要です。
様子見の期間が長すぎると突然、大きなトラブルを起こしたり、
突然、退社をするということになりかねません。
部下の方によって、自分の不調の発信の仕方は異なります。
全く何も発信しない部下の方もいらっしゃいます。
いずれにしても、部下の方に対しては、
日々の声掛けや定期的な仕事の進捗管理など、
意識的、計画的にコミュニケーションを取ることが重要です。
■性が合う部下と、性が合わない部下
ドイツの詩人ゲーテの言葉に下記のようなものがあります。
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性に合わない人たちとつきあってこそ、
うまくやって行くために自制しなければならないし、
それを通して、われわれの心の中にある
いろいろ違った側面が刺激されて、
発展し完成するのであって、やがて、
誰とぶつかってもびくともしないようになるわけだ。
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管理職者の方も、当然、性が合う部下の方、
性が合わない部下の方がいらっしゃるかと思います。
世の中、一般的に自分と性の合う人というのは
ほとんどいないのが現実かと思います。
相手にとっても自分は、性の合わない人間と思っているはずです。
管理職者は、性の合わない部下、
考え方が分からない部下の方に対し、
ただ世の中にはいろいろな人がいるで済ませるのではなく、
性の合わない部下をどのように理解し、
育成していくか考えなければなりません。
性の合わない部下の方でも確実に成長させなければなりません。
それが管理職者の仕事です。
部下育成に関して、本やインターネットで調べる、
上司からアドバイスをもらう、実際にいろいろと試してみる。
こういう学習を通して、管理職者として、
人として成長していくしか方法はありません。
■部下育成に得意、不得意は関係ない
基本的には、部下の育成に関しては、得意、不得意は関係ありません。
部下の方の現状と希望を踏まえた上で、育成計画を立て、
それを部下の方に示し、仕事を与え、行った行動や結果をほめ、
必要な教育や援助を行うと間違いなく部下の方は成長します。
どんな部下でも成長させるのが管理職者の仕事です。
部下の育成は、学習により習得することができます。
真摯に学習することが必要です。
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